「歩幅を大きく歩きましょう」には、枕詞が隠れています。
「踵(かかと)から着地“しないで”」が、隠れているのです。
つまり、足裏の前の方(踵より前の方)で着地することを大前提に、「歩幅を大きく歩きましょう」なのです。
ウォーキングしている人を見ると、踵から「ドスドス」と歩いています。
これで、近い将来、膝を痛めます。
踵の骨からダイレクトに、膝関節に衝撃が入るからです。
大きなショックが繰り返し入ると、身体はそれに耐える形へと、変化します。
結果的に、足首が太くなるのです。
膝に変形が起こるのも、そのためです。
『踵より前着地で、歩幅を大きく歩く』とは、どのようなことでしょうか。
急いでいる時、早歩きをすると、自然と歩幅は大きくなります。
今までどおり、踵から着地する歩き方の方が、距離は楽に稼げます。
前足部からの着地で、踵着地と同じだけの歩幅をキープするには、後ろ足で地面を蹴る力が必要です。
これは言葉の言い様ですが、『地面を蹴る力』というより、『前足が遠くに行くために、粘る力』が、後ろ脚には必要なのです。
後ろ脚が、『ギュイーン』と、伸びるような意識です。
この動作は、太ももの裏側にある筋肉を使うことになります。
太ももの裏側の筋肉が使えると、ヒップアップにつながります。
お尻には、坐骨という骨があります。
椅子に座り、お尻の下に手を入れるとゴリッとした骨を、左右に感じます。
それが坐骨です。
歩幅を大きく歩きながら坐骨周辺を触れると、後ろ足のつま先が地面から離れる瞬間に、『キュッ』と筋の締まる感覚があります。
この繰り返しで、お尻の底が、『クッ』と上がっていくのです。
バレエダンサーが良い例です。
彼らのヒップが『グッ』と高い位置にあるのは、太ももの裏側をきちんと使えているからです。
バレエを観ると、踵から着地する人はいません。
足音がしないのです。
軽やかなステップを踏めるのは、踵に頼らない身体の使い方をしているからなのです。
動きの軽やかさは、美に直結します。
ドタドタ動く人が美しくは見えないのです。
身体を変えるのに、慌ててスポーツジムに行く必要はありません。
新たにトレーニングのための時間を作ろうとすると、挫けます。
それよりも、いつもしている動作を意識的に変えていくことです。
毎日の歩行を、美脚トレーニングにしてしまえば良いのです。
今は万歩計をしている、意識の高い方が多いです。
1日1万歩は素晴らしいです。
その1万歩を意識的に身体運用の練習時間に変えてしまえば良いのです。
意識しなければただの動作です。
意識すればトレーニングとなります。
1日1万回、美脚トレーニングができるのです。
【美しい脚になるために2】
後ろ足が長くなったことを意識して、前着地しよう。
P.S.
いつでもどこでもできるから、続けられますね。