不眠症は病なのか?

前回の投稿の最後に、「寝る」「動く」「食べる」が、身体を見直すための基本だと書きました。

実際のところ、これらが悩みになっている方が世の中には溢れております。

 

「先生、眠れません。」

「先生、運動不足で…」

「先生、痩せれません…」

 

要は、「寝る」「動く」「食べる」に悩んでいるのです。

 

これらは本来、悩むようなことではございません。

「こんなことで悩むのは暇なんだよ」と、施術家向けセミナーではバッサリ切り捨てておりますが、一般の方が聞いたら「酷い!!」と怒るかもしれませんね。

厳しく聞こえるかもしれませんが、我々治療家側がこのようなことで悩んでいては、通う方々が良くなるハズもないのです。
人生において、他に悩むべきことなど、大量にあるのですから…

今回は「眠れないことに悩む」という、余計な悩みを紐解いていきましょう。

最後には、「もうこんなことで悩むのは終わりにしよう」と、前向きになってくれたら嬉しいです。

 

 

眠れないことを気に病む方はとても多いです。
治療院では、「最近、眠れません」と、毎日のように施術中に聞いております。

 

「睡眠は大切」と言いますが、何故大切なのか?

 

その大前提として知っておいて欲しいことは、「人は眠らないと死ぬ」ということです。
「眠らない限りは生きられない」という大前提があるのです。

睡眠は、生きるために必要不可欠ということです。
裏を返せば、眠れない人など、ひとりもいないのです。
あなたが今この文章を読めている時点で、「あなたは散々眠ってきた」とも言えます。

 

 

我々人間は、最後には必ず死を迎えます。
ここに異論はないでしょう。
誰もが死ぬ。

 

ちょっと視点を柔軟にしてみると、「我々は毎日死んでいる」ことに気づきます。

 

眠っている時です。

 

我々はある種の死を、毎日体験しているとも言えるのです。

眠っていても、夢を見ていたり、何となく意識があったりすることはあります。
夢も見ていない、意識が全くない状態もありますよね。
そもそも、そんな時間があることすら、自分ではわかっていない時です。

 

自分が眠っているという意識すらない時、これはある種の「死んでいる体験」をしているとも言えないでしょうか?

 

 

1日の24時間サイクルの中で、確実に数時間は死んでいるのです。
誤解があると困るので、「死んでいるような体験の中に在る」ということです。

生れてから今日まで-私の場合44年間-毎日生き、毎日死んで、今があるのです。

 

我々人間は1日の中で、「いつか訪れるであろう死を練習している」のかもしれませんね。

 

 

「眠れなくて」悩んでいる。

眠れなくてを、「死ねなくて」悩んでいるに置き換えて考えてみると…

 

「毎日をきちんと死ねていない」ということになります。

 

やり切っていないような感じで、なんとなく嫌ですよね??(笑)

 

毎日の積み重ねが人生であり、その最後の最後に「死」が訪れる。
毎日私たちは、「小さな死を積み上げて生きている」とも言えます。

 

その死の積み上げができずに困っている人が、今は多いのです。

 

何故でしょうか?

 

 

「死にたくても、死ねない。」
「このままでは死に切れない。」

 

こんな言葉を聞いたことがありますよね。

なんとなく、現代社会の(現代人の)本質的に抱え込んでいる問題のようにも思えてきてしまうのです。

 

 

 

「眠れない」と悩むことは、本来は必要のないことです。

眠れないなら、その時無理して眠らなければ良いだけのことだからです。

「不眠症」とワケの解らぬ「病名」をつけてしまうから、眠れないことがいつの間にか悪いことのようにさせられているのです。

もちろん冒頭で申し上げたように、眠れなければ死ぬのが人間ですから、眠れないことは身体とって良くはない。
ただ考えてみて頂きたいのですが、例えば「自殺をしたい」と考えたとします(例が悪くて申し訳ございませんが)。

その時に、「良し!!眠らなければ死ぬのだから、眠らないで死ぬことにしよう!!」とは考えませんよね??

実行しようとしても、きっといつの間にやらグーグー眠っていることでしょう(笑)

 

大切なことは、「眠れない人などいない」ということです。

まずはそのことに気づいて頂きたいのです。

「不眠症」などと、如何にも病気のように仕立て上げていること自体がおかしいのです。
至る所に、「洗脳」が潜んでおります。

 

 

本来、「眠れない」ならば、起きて何かすればよいだけです。
ある意味、喜ばしいことでもあるのです。
「眠れない」ということは、まだ眠る必要がない状態なのですから。
それほどに「元気だ」とも言えるわけです。
それをわざわざ、「不眠症」という病気にしてしまうのが、現代医療の闇でもあると感じます。
寝ないと身体に良いとか悪いとか、そんなことを考える必要自体ないのです。
本当は。

 

多くの方は、「いま眠っておかないと、明日の日中に眠くなっちゃうから」と、訪れてもいない未来を心配し、睡眠薬に頼るわけです。
老後の心配ばかりして生きていることと同じ現象があるわけです。

 

今を生きていない。

 

今を生きていない人ほど、精神を病みます。
未来など誰にも解からぬことを悩み、憂い、不安になり、想像の中で病んでいくのです。

 

少々厳しい言い方になってしまいますが、今を生き切っていないから、わざわざ眠れないことを悩むのです。

 

眠れないなら眠れないなりに、今できることができるのです。
それをしないから、眠れないのです。

だから、我々治療家が一般の方々と一緒になって悩んでいてはいけないと、セミナーでは伝えているのです。
身体の専門家を謳ってこの仕事をしているのに、通っている方々と同じ視点で悩んでいるのはおかしいのであります。

 

気が楽になりませんか?

 

「眠れない」と、今この瞬間から悩む必要がなくなるのですから。
読書でもすれば良いのです。
仕事もできるし、映画を観ることもできるのです。

 

さらに余計な薬がひとつ減ります。
特に睡眠薬のような薬は、不要な薬NO.1レベルに位置するものだと、私は感じます。
余計な薬が減れば、身体の負担も軽くなります。
「余計な不健康がひとつ減った」と喜べば良いのです。

 

我々は自律神経の交差の中で生きております。
日中は交感神経が優位となり元気に活動し、夜は副交感神経が優位となり、ゆったりモードの中眠りにつくという基本があるわけです。

ただ、自律神経の波も常に一定であるハズもなく、眠れない日があったりもするわけです。

睡眠薬は、自律神経の働きを強制的に切り替えてしまうのですから、良いハズがありません。
当然、そんな生活が続けば、身体に何かしらの支障をきたしてもおかしくはないわけですね。

 

現代は、日中に副交感神経が優位になっている方が多いのだと感じております。
つまり緊張不足です。

昔に比べれば身体を使う機会も減りました。
どこへ行くにも歩く必要がなくなりましたし、家事をするにも力仕事が格段に減りましたから。
日中、副交感神経が優位な生活をしていると、身体は「怠く」なります。

「なんか身体の怠さが抜けないのよね」という状態ですね。

身体が怠ければ、当然ストレスを過剰に感じやすくなるでしょう。
そうなれば、腰痛や肩こり、頭痛などの身体症状が出て来ることは当然と言えます。

日中をどのように過ごしているか。
眠れない場合には、一度振り返ってみると良いかもしれません。

 

 

私は眠れない時は無理をして寝ないと決めております。
極稀ですが、朝方まで起きていることもあります。

 

明日眠くなったらどうしよう?

 

眠かろうが、朝9時になったら、施術をしなければなりませんから。
眠かろうが、施術をしております(笑)
ただそれだけなのです。

 

きちんと睡眠をとっている日でも、ランチ後は眠くなる日もあります。
休憩時間に仮眠をとることもありますが、眠かろうが仕事があれば仕事をするのが当たり前です。

「眠いのに寝れない」と憂いている場合でもないのです。

 

 

病院から「不眠症です」と診断を受けた方(レッテルを貼られた方)でも、3日間も起き続けてはいられないでしょう。
冒頭に申し上げたように、人間は寝ないと死ぬからです。
眠らない限り現在まで生きていないのですから、今生きているということは、それなりに眠れてきたのです。

「1日何時間寝ないとダメ」という決めつけも、一度外してみれば良いのではないでしょうか。
そういう思い込みこそ、身体の歪みと言えるのですから。

 

 

今日押さえて頂きたい点は、「不眠症という病はない」ということです。

眠れないなら、その時間好きなように使ってみる。

そんな大らかな気持ちで過ごしてみては如何でしょうか。

読書、映画、仕事など、何でも好きなことに時間を使えばよいと思います。

 

「そんなムチャを言うな!!薬を飲まないとダメだ!!」

 

それなら飲むしかないのです。
自分がそう思うなら、それも必要悪なのです。

必ず薬には副作用があります。

そのことをきちんと理解し、ご自身が受け入れることが大切だと私は思います。

 

P.S.
執行草舟社長の動画はいつも力になります(^_-)-☆
そして、明快で面白い!!
眠れない方は、私の文よりこの動画を観れば良かったと…いま気づきました。

 

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