『身体の自由度を高める』とは、『新しいクセを育てる』ということです。
今までしなかった動きをしてみればいいのです。
つまり、やりにくい側の動きもやってみるということです。
やりにくい側の柔軟性を高めるということではありません。
自分が「硬いな」と思う動作にも、動かせる範囲が少しはあります。
その範囲内を、コントロールして動かすことが、大切なのです。
たとえば、身体をひねる動作をします。
ひねっていくスピードが一定であるように意識するのです。
ひねっていくスピードが途中で変わるのは、動作をコントロールできていないからです。
ひねる間にまばたきをすると、一瞬視界が飛ぶことになります。
視線が上下左右にぶれるのも、目の動きをコントロールできていないからです。
完璧にコントロールできることが大切なのではありません。
「あ、今スピード変わっちゃったな」「あ、今目をつぶっちゃったな」「あ、今視点がブレたな」と、コントロールできていなかった動きに気づくことが大切なのです。
『観察力を育てる』ことが、『身体の自由度を高める』最大のポイントだからです。
身体をコントロールするとは、動ける範囲内を徹底的に観察することなのです。
やりやすい動きと、やりにくい動きをすることで、どこに左右差があるか見つけることができます。
動きの左右差が見つかると、やりにくい動きを意識して修正していくことができるのです。
これが、『新しいクセを育てる』ということです。
できなかった動きができるようになっていくことは、身体の動かし方に新たな選択肢が増えるということです。
たとえば、左手で字を書いてみます。
写真①
左手でペンを持った時点で違和感があります。
写真①は、3日ほど名前の練習をしているので、すでにうまくなっているものです。
『新しいクセを育てる』ということは、今まで使われていなかった脳のスペースを使うということです。
身体にとって新鮮な刺激なのです。
クセはたくさんあって良いのです。
クセがその人の持つ特性になるからです。
利き手で字を書くことは無意識にできる、当たり前のことです。
当たり前じゃないことを、あえてやってみると、身体の自由度は高まります。
左手で字を書くことは、子どもから大人になるプロセスを、もう一度味わえます。
右手と交互で書くと、左手の使い方に、すでにクセができ始めていることを実感します。
そのクセを、進化させていけば良いのです。
左手でも字を書ければ、その分、身体の自由度が高まります。
プロ野球選手が逆のスイングでもある程度打てるのと、同じことです。
そうやって動きのバランスをとることができます。
思い通りに身体を使えるようになるには、繰り返しの入力刺激が必要です。
左手で一文字書くごとに、新しいクセが育ちます。
それが身体の自由度を高めるための、プロセスなのです。
【姿勢が生まれ変わる、身体との付き合い方6】
新しい身体のクセを、育てよう。
P.S.
これも、ヨーガアーサナです。