ステロイドホルモンと症状の関係 〜症状は悪ではない〜
「症状が出るのは悪いこと」と思っていませんか?
痛み、かゆみ、だるさ、微熱、発疹…
あらゆる不快症状が出ると、「どこかが壊れている」「身体がおかしくなっている」と不安になってしまうのは当然のことです。
しかし実は、これらの症状は身体の異常を示しているだけではありません。
同時に、「患部の修復プロセスを進めているサイン」でもあるのです。
■症状は「傷めつけている」のではなく、「治癒反応」である
症状にはすべて意味があります。
その多くは、「崩れていたバランスを整えようとしている」自然な反応としての痛みやかゆみなのです。
ところが、現代の西洋医学的アプローチでは、「症状=悪いこと」という考えが定着しすぎていて、症状をただ薬で抑えるだけ、という対処が一般化し過ぎています。
症状は必ずしも悪ではありません。
ツライですが、「治そう、修復しよう」として、炎症が起こっているからです。
壊れた組織を修復するためには、炎症は必要不可欠なプロセスと言えるのです。
薬で症状を抑えつけにかかると、「症状=悪」であると、脳に記憶されていきます。
そして、「症状が出る=失敗だ」と脳が学習してしまうと、自律神経や内分泌系の働きにブレーキがかかり、本来修復のために必要なホルモンの分泌も抑制されてしまうことがあります。
特に重要なのが、副腎から分泌されるステロイドホルモン(※コルチゾールなど)です。
ステロイドホルモンは、痛みや炎症を抑えたり、ストレスに対応したりするために欠かせないホルモンです。
しかし、「症状が出る=失敗」という誤った脳の学習(錯覚学習)が進むと、ストレスに対して適切な反応ができなくなり、ステロイドホルモンの分泌力そのものが低下してしまうことがあるのです。
その結果、本来なら一時的で済んだはずの不調が、ダラダラと慢性的に続いてしまうようになるのです。
■「間違った学習」が身体を変えてしまう
このような、身体の神経回路の誤作動による脳の学習を、神経科学の分野では「錯覚学習」と呼ぶことがあります。
本来、炎症反応や発熱反応は、身体の回復に必要な働きです。
しかし、現代では薬によってその反応を抑えることが常識となり、「熱を出すのは悪いこと」「腫れたらすぐに抗炎症薬」といったような「身体にとって必要な反応」が、否定されがちです。
それにより、身体が「本来の免疫反応を出してはいけない」と学習してしまうと、必要なホルモン分泌や免疫細胞の働きが抑制されていきます。
これは一時的な抑制ではなく、神経回路や脳の可塑性(かそせい)に影響する深い学習なのです。
どうやって「誤った学習」をもとに戻す?
まずは、ツライ症状に対する考え方そのものを変えてみましょう。
薬を飲み続けている方に、「症状はツライけれども、そのすべてが悪なのではなく、身体を治そうとして起こっているんですよ」とお伝えした際、「それを聞いたらなんだか心が楽になった」と言われたことがあります。
多くの方は、「薬を飲み続けていても根本解決しない」ことは、うすうす気づいているのです。
慢性疾患を治せる薬は、皆無です。
この大前提を抑えない限り、湿布薬、痛み止め、ステロイド、消炎鎮痛剤、頭痛薬など、あらゆる薬からの脱却はできません。
かと言って、急に今まで飲んでいた薬を止めてしまったら、これも身体がビックリしてしまいますよね。
■すべての慢性疾患は、「寝る・食べる・動く」の見直しから
私たちの脳や神経、ホルモン、免疫のバランスを整えていく上で、「寝る・食べる・動く」という基本が非常に重要です。
特に最重要なのが、「食」との関わり方です。
たとえば、毎日コンビニ弁当や、ラーメンを食べながら、繰り返す腰痛や頭痛を治すことはできません。
毎日、仕事の合間にチョコレートや、スナック菓子をつまんでいれば、五十肩など関節痛のリスクも跳ね上がります。
それが現実です。
わたしは過去に4日間の断食をしたことがありました。
当時、酷く歯の根っこを傷め、歯茎の腫れがあったのですが、4日間の断食ですっかり腫れが治まり、歯茎の色も綺麗なピンク色に戻ったことがあります。
また、消化器疲労もあったのでしょう。
自分で舌診をすると、ボコボコしていた舌の状態も、4日後には綺麗になったのです。
この体験には、科学的な裏付けもあります。
断食を行うと、炎症を誘導するサイトカインであるTNF-αやIL-6(インターロイキン6)などが抑制され、全身の炎症反応が和らぐことが報告されています。
さらに、72時間を超える断食では、体内の古い傷んだ免疫細胞がアポトーシス(自然死)によって除去され、造血幹細胞が新たに活性化し、新しい免疫細胞を生み出すことが分かっています(カリフォルニア大学などの研究より)。
もちろん、いきなり4日間の断食はハードルが高いかもしれません。
しかし、18時間のプチ断食(朝食を抜くなど)であれば、多くの方が無理なく取り入れられます。
毎日3食を食べていて、さらに、その合間にもお菓子などをちょこちょこつまんでいる方は、1日5食、酷いと10食以上になっている方もいます。
そんな生活をしていれば、体調が悪いのは当たり前なのです。
その他、簡単に今日からできることは、睡眠前に入浴で体温を一度上げることです。
睡眠の質の向上に役立ちます。
また全身に水圧をかけることで、腎機能も高まります。
慢性炎症体質になっている方は、ほぼ全員むくみがあります。
たとえば、若い女性(30代、40代)で膝が痛い方の多くは、むくみが原因です。
むくみの究極が、腫れです。
関節がむくむと、関節が不安定になり、剪断力(滑りのようなこと)がかかり痛いのです。
「激痛ではないけど、なんかたまに膝が痛いんです」は、浮腫みが原因のことが多いのです。
つまり、腎臓が疲労しているのです。
毎日少し熱めのお湯に浸かってみて下さい。
むくみが抜けていけば、関節痛も軽減されます。
このように、簡単にできることはたくさんあります。
その積み重ねにより、脳が覚えた間違った学習を、正常化できるのです。
脳と免疫を連携する“ミクログリア”の働き
こうした生活習慣の改善によって整えられるのは、単なる体調だけではありません。
脳と免疫のバランスにも、確実に影響を与えています。
そのカギを握るのが、「ミクログリア」という脳内の免疫細胞です。
ミクログリアは、脳のマクロファージ(貪食細胞)として働いており、傷ついた神経細胞の修復や老廃物の除去、炎症の調整などを行う、重要な“免疫監視役”です。
しかし、ストレスや過労、不眠、精神的ショックなどが続くと、ミクログリアは過剰に活性化し、脳内に慢性的な炎症をもたらしてしまいます。
この状態が長引くと、神経系・免疫系双方に悪影響が出て、慢性の不調がなかなか抜け出せなくなるのです。
生活習慣を見直すことで、こうしたミクログリアの過活動も静まり、本来の修復力が取り戻されていきます。
整体で治すのではなく、治る力を取り戻す整体へ
「とりあえず痛みを止めたい」「かゆみを止めたい」
その気持ちは当然です。
ですが、本当に大切なのは、「症状を出さない身体」ではなく、「治る力が働く身体」を取り戻すことです。
症状にはすべて意味があります。
症状は、身体が今まさに修復しようとしている証でもあるのです。
その声に耳を傾け、症状を抑え込むのではなく、必要な反応として受け止め、身体の環境を整える。
それが、当院の整体の基本的な考え方です。
まとめ
症状は「治癒プロセス」の一部。決して“悪”ではありません
薬で症状を抑えることで、脳が「症状=悪」と学習してしまうことがある
この誤った学習は、ホルモン分泌や免疫力を低下させ、慢性症状を招く
睡眠・食事・運動の見直しが、間違った神経学習をリセットするカギ
断食(ファスティング)や入浴など、日常に取り入れられる工夫が有効
ミクログリアを中心とする脳の免疫活動を整えることが、根本改善へとつながる
「この不調、薬で抑えるだけでいいのかな?」
「根本から整えたいけれど、どうしたらいいかわからない…」
そんな方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
身体の声に優しく寄り添いながら、あなた本来の治癒力を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

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