糖質の摂り過ぎで、炎症体質になっている方がとても多いです。
おそらく多くの方は、「エッ!?糖質が炎症を起こすって、どういうこと??」と思うでしょう。
身近な症例ですと、繰り返すギックリ腰や寝違え、五十肩です。
- やたらとぎっくり腰を繰り返す
- ぎっくり腰が治ったと思ったら、今度は重度の寝違えになった
- 最初、右肩を痛めて、1年かけて治ったと思ったら、今度は数か月後に左側が痛みで上がらなくなった
治療院では多々見受けられるケースですが、これこそ糖質の摂り過ぎにより生じた体内老廃物が関節や筋肉に悪さをしている証と言えます。
簡単に、糖質と疲労、痛みとの関係について説明します。
あなたの疲労は糖質過剰のサインかも?
「血糖値スパイク」が疲労の原因?
一般的に健康診断の際、血糖値異常となるのは、「空腹時」高血糖状態のことです。
逆に、「食後」高血糖とは、食後の血糖値が高いことです(そのままか…)。
食後ですから血糖値は上がって当然だろうと思うかもしれませんが、「食後高血糖」の方は、その上がり幅がものすごく高くなります(正常値140mg/㎗未満のところ、200mg/㎗を越えることも多いのです)。
食後、少し遅れてインスリンの働きにより、その高血糖状態が一気に下降します。
食後一気に上昇した血糖値が、一気に下降するこの状態を、「血糖値スパイク」と呼ぶのですが、この乱高下が疲労となります。
健康診断で、「空腹時」高血糖と診断される方は、10年以上も前から「食後」高血糖と「血糖値スパイク」に晒されてきているという研究もあるようです。
糖質の摂り過ぎと炎症体質の関係
高血糖状態と炎症
糖質過多の生活が続くと、炎症性サイトカイン(インターロイキン-6、TNF-αなど)の分泌を促進します。
サイトカインは正常な免疫機能に不可欠ですが、過剰なサイトカイン産生や異常なサイトカイン応答は、慢性炎症や自己免疫疾患に関与します。
インスリン抵抗性と炎症
インスリン抵抗性とは、インスリンが体内で十分に分泌されていても、その作用が弱くなりインスリンが本来の機能を果たせなくなる状態を指します。
糖質を過剰に摂取することでインスリン抵抗性が発生し、これも炎症反応の増加に寄与します。
インスリン抵抗性の状態では、脂肪細胞から炎症性サイトカインが分泌されやすくなります。
AGEs(終末糖化産物)の生成と炎症
AGEs(Advanced Glycation End Products)は、体内で糖とタンパク質が非酵素的に結合して生成されるものです。
様々な組織や臓器に蓄積することで、慢性疾患や老化の進行に関与します。
糖質の過剰摂取は、AGEsの生成を増加させます。
骨に蓄積すれば骨質が悪くなるので、骨粗鬆症のリスクを高めます。
また、神経や血管にも蓄積します。
脳細胞に蓄積することでアルツハイマー型認知症を引き起こすリスクとなることも解ってきております。
腸内フローラのバランスと炎症
糖質過多の生活は、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを乱し、腸内の有害菌増殖を促進する可能性があります。
これにより腸壁のバリア機能が低下し、腸漏れ症候群(Leaky Gut Syndromeリーキーガット症候群)が発生しやすくなります。
腸壁から血流に漏れ出す有害物質が炎症を引き起こすことがあります。
糖化による関節の痛みについて
糖化(グリケーション)とは、糖(グルコースなど)がタンパク質や脂質と非酵素的に結合する過程を指します。
この反応により生成される物質がAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる、長期的に健康を害する可能性のある老廃物です。
AGEsは、体内の多くの組織に蓄積し、さまざまな健康問題を引き起こすことがあります。
糖質と関節の痛み
関節軟骨の主要な成分であるコラーゲンは、糖化によってAGEsが形成されやすいです。
AGEsが蓄積すると、コラーゲンの構造が変性し、弾力性や強度が低下します。
この結果、関節軟骨が脆くなり、変形性関節症のリスクが高まります。
椎間板ヘルニアと糖化の関係性
椎間板も糖化(グリケーション)による影響を受けることがあります。
椎間板は脊椎にある軟骨組織で、衝撃を吸収し、脊椎の柔軟性を保つ役割を果たしています。
椎間板の主要な成分であるコラーゲンやプロテオグリカンなどのタンパク質が糖化によって損傷を受けると、椎間板の機能が低下し、腰痛や椎間板ヘルニアなどの問題が発生する可能性があります。
繰り返すぎっくり腰、寝違えなどは、糖化による組織の弾力低下が原因となっている可能性が非常に高いのです。
まさか食生活のせいで腰が痛いとは考えてもみないことかと思います。
実際はかなり影響していると言えます。
栄養学を活用した糖化対策
サプリメントを活用して、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を摂り入れることも対策となります。
AGEsの形成を抑制する効果があります。
また、過剰な糖質を極力控えることは言うまでもありません。
特に低GI食品(グリセミックインデックス)が低い食品を選ぶことも大切です。
詳細はまたの機会に書きますが、たとえば、ラーメンなどは高GI食となり、血糖値が急上昇する食べ物の代表と言えます。
ランチや夕食にラーメンが多い方は、腰痛や肩こり、頭痛などのリスクが高まることを押えておいて下さいね。
天一大好きですけれども…最近は控えております。
あと、西五反田店がまさかの撤退とあり、悲しいです(T_T)
食後の糖化対策
もちろん、私もラーメンを食べることがあります。
その際に行なう対策が、食後20~30分ほどのウォーキングです。
ウォーキングと言っても、私の場合特に気合も入れず、ただの散歩です。
ラーメンを食べてすぐに治療院に戻るのと、20分ほど歩いてから戻るのとでは、その後と仕事のはかどり方が違います。
眠気に襲われることもかなり減りますし、集中してPC業務も施術もできます。
私の場合、仕事自体が比較的身体を動かしているので、デスクワークの方よりは自然と対策になっているようにも感じます。
それでも、散歩してから仕事をする方が、明らかに身体が楽なのです。
ランチ後眠くて仕方がないという方は、血糖値スパイクの影響が大きいのです。
血糖値の急上昇を押えるために、仮に5分だとしても(もちろん長い方が良い)食後の散歩をおススメします。
では、引き続き糖化については今後も繰り返しお伝えして参ります。
ご自身の生活を見直すきっかけにしてみて下さいね。
いつも読んで頂きありがとうございます。