【コレステロールと薬の真実】
〜「悪玉・善玉」だけでは見えない大切な働き〜
健康診断で「コレステロールが高いですね」と言われると、「すぐに下げなければ病気になる」と不安に感じる方が多いと思います。
けれど、本来コレステロールは
細胞膜の材料
ホルモンの材料
神経の材料
といった生命維持に欠かせない重要な成分です。
それを単純に「悪玉・善玉」で判断し、むやみに薬で下げることは、本当に身体にとって良い選択なのでしょうか?
LDLとHDLは役割分担している
健康診断でおなじみのLDL(いわゆる悪玉) と HDL(いわゆる善玉) にはそれぞれ大切な役割があります。
✅ LDL は、肝臓で作られたコレステロールを全身の末梢の細胞へ届ける「行きの便」。
細胞はコレステロールを材料にして、細胞膜を作ったり、ホルモンを合成したりしています。
✅ HDL は、末梢の細胞で使い終わった余分なコレステロールを回収して、肝臓に戻す「帰りの便」。
血管の壁に沈着しかけたコレステロールも引き取って掃除してくれる役割があります。
つまり
LDLは配送トラック、HDLは回収トラック
であり、善悪ではなく どちらも命に欠かせない大切な物流の役割 なのです。
LDLの「質」が本当の問題
LDLが高いとすぐに「危険だ」と言われますが、
大事なのは LDLの質 です。
スモールデンスLDL(small dense LDL)
小さく密度が高い粒子。酸化されやすく、血管壁に入り込みやすいため動脈硬化を促進しやすいラージブイヨントLDL(large buoyant LDL)
比較的大きな粒子。浮きやすい性質で、血管壁に沈着しにくく比較的リスクは低い
しかし、通常の健康診断では、この「質」の違いまで調べることはできません。
そのため「LDLが高い→すぐ薬」という一律の判断になりがちですが、本来はとても危険なことです。
スタチン系コレステロール低下剤の落とし穴
現在、LDLを下げる薬としてもっとも多く使われているのがスタチン系薬剤 です。
スタチンは
肝臓でのコレステロール合成を抑える
その結果、血液中のLDLコレステロールを間接的に下げる
という仕組みで作用します。
確かに動脈硬化がすでに進行して心筋梗塞のリスクが切迫している場合などは、一時的に役立つケースもあります。
しかし、
コレステロールが材料になるホルモンの低下
細胞膜の柔軟性低下
脳の神経機能への影響
などを引き起こす副作用が報告されています。
実際に、
✅ 筋肉痛
✅ 記憶力の低下・認知症
✅ 抑うつ
といった副作用で苦しむ方もいます。
むやみにスタチンを飲むよりも、最も大切な生活習慣である食事の量を控え、毎日よく歩く 方がはるかに健全と私は考えています。
食生活の見直しと、意識的に脚を使うことだけで、適値に落ち着いていきます。
生活の見直しなく、ただ数値を下げるためだけに薬を飲んでも、
- より体調を崩す
- 新たなる病を生み出す
に過ぎないのです。
少々厳しい言い回しになりますが、現代医療にドップリ使っている方々は、そのことをよく肝に銘じることが大切です。
コレステロールを下げるより、整えるという考え方を
「LDLが悪いから下げればいい」という極端な発想ではなく、「なぜその数値になったのか?」を一緒に考えることがとても大切です。
そもそもコレステロールの異常は、
✅ 食べすぎ
✅ 運動不足
✅ 睡眠不足
✅ 慢性的なストレス
といった生活習慣から起こることが9割9分です。
本来の体の調節力を取り戻すことができれば、薬に頼らなくても自然にバランスが整っていくケースがほとんどです。
患者さん主体の医療を目指して
当院では
生活習慣の改善
自律神経の調整
食と運動
を通じて、数値を下げることが目的ではなく、本来の健康を取り戻すことを重視しています。
コレステロールの数値で不安になった方も、ぜひ一度ご相談ください。
あなたにとって本当に必要なことを、一緒に考えていきましょう。
まとめ
✅ LDLは「行きの便」、HDLは「帰りの便」
✅ 本質は、「善悪」ではなく、「役割が違う」だけ
✅ 薬でむやみに数値を下げるのは危険。他の病を生み出す可能性がある
✅ 食事や運動で本来の調節力を養うように、共に考えて行きましょう!!