【LDLは本当に悪者?】コレステロールの誤解と正しい知識
「健康診断でLDLが高いと言われた」
「悪玉コレステロールだから下げなきゃいけないんですよね?」
そんな声をよく耳にします。
でも実は、LDL=悪者というのは、正しい理解とは言えません。
この記事では、患者さんがよく誤解しやすい「コレステロールとLDLの本当の働き」について、専門的な視点をわかりやすくお伝えします。
◆ そもそもコレステロールとは?
コレステロールは、「悪いもの」と思われがちですが、人間の身体にとって欠かせない脂質です。
✅ 細胞膜の材料になる
✅ ホルモン(性ホルモン・副腎皮質ホルモンなど)の材料になる
✅ ビタミンDや胆汁酸の合成に必要
つまり、コレステロールがなければ、身体の基本的な機能が成り立たないのです。
◆ LDL・HDLは「2種類のコレステロール」ではない!
「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」という言葉は皆さんご存じかと思います。
これを、「コレステロールには2種類ある」と誤解している方も多いです。
しかし実際は、
コレステロール自体は1種類であり、
LDLやHDLは、コレステロールの“運び屋(リポタンパク)”である
が正解です。
それぞれに「コレステロール」と入っているので、ややこしいですが、コレステロールを運ぶリポタンパクのことなのです。
✅ それぞれの役割
LDL(Low Density Lipoprotein)
→ 肝臓で作られたコレステロールを、全身の細胞へ届ける役割HDL(High Density Lipoprotein)
→ 余ったコレステロールを回収して、肝臓に戻す役割
つまり、どちらも身体に必要不可欠な役割を担っているのです。
◆ LDLは本当に「悪玉」なのか?
LDLは、細胞膜やホルモンの材料を体中に届ける重要な役割を果たしており、決して“悪”ではありません。
では、なぜ「悪玉コレステロール」と呼ばれているのでしょうか?
その理由は、LDLが酸化されることで、動脈硬化の原因になるからです。
◆ 問題は「酸化されたLDL(酸化LDL)」にある
通常のLDLが血管の壁(内皮)に入り込み、そこで酸化されると、「酸化LDL(oxLDL:オックスLDL)」に変化します。
酸化LDLが溜まると、マクロファージという免疫細胞がそれを食べ、やがて「泡沫細胞(ほうまつさいぼう)」という脂肪の塊になり、
血管内に「粥腫(じゅくしゅ)」と呼ばれるドロドロの沈着物ができます。
これがいわゆる動脈硬化の始まりです。
◆ スモールデンスLDLのリスク
特に最近注目されているのが、**スモールデンスLDL(小型で高密度のLDL)**です。
血管内皮に入り込みやすい
酸化されやすい
血中に長く残る(半減期が長い)
このような性質があるため、スモールデンスLDLが多いと、動脈硬化リスクが高まるとされています。
◆ さらに重要:「高血糖状態」がLDL酸化を加速する!
ここで見逃せないのが、食生活との関係です。
特に、糖質を過剰に摂取する生活をしていると、LDLが酸化しやすくなり、動脈硬化リスクがさらに高まります。
✅ 高血糖 → LDLが「糖化」される
血糖値が高い状態が続くと、血液中の糖がLDLなどのタンパク質と結びつき、「糖化(グリケーション)」が起こります。
糖化されたLDLは、構造が変化し、
酸化されやすくなる
異物としてマクロファージに狙われやすくなる
つまり、糖化されたLDLは、動脈硬化をさらに促進するというわけです。
✅ 高血糖は、血管内皮そのものも傷つける
血糖値が高い状態は、LDLだけでなく血管の内皮細胞そのものにもダメージを与えます。
このダメージがあると、LDLが血管内皮に入り込みやすくなり、酸化が起きやすくなります。
◆ 酸化LDLを防ぐ生活習慣とは?
| やること | 理由 |
|---|---|
| 甘いお菓子・ジュース・白米・小麦の摂りすぎに注意 | 高血糖・糖化を防ぐ |
| 食物繊維・たんぱく質をしっかり摂る | 血糖値の急上昇を抑える |
| 良質な油(オメガ3脂肪酸など)を摂取 (過剰は×) | LDLの酸化を抑える |
| 抗酸化食品(ビタミンC、E、ポリフェノール) | 酸化ストレスから守る |
| 睡眠・ストレス管理・禁煙 | 炎症・酸化の原因を減らす |
◆ LDLを薬で下げる前に知っておきたいこと
コレステロールが高いと診断されると、医療機関では**コレステロール低下薬(主にスタチン)**が処方されることがあります。
確かに、動脈硬化や心筋梗塞の既往がある方にとっては、命を守ることにもつながる重要な薬です。
しかし一方で、
「LDLは高めだが、体調に問題はない」
「予防目的で長年スタチンを服用している」
という方が、知らず知らずのうちに副作用として身体の不調を抱えているケースも少なくありません。
✅ スタチンによる関節・筋肉への影響
筋肉のだるさ・痛み
関節のこわばり・動かしにくさ
疲労感が抜けない
運動後の回復が遅い
こうした症状が「年齢のせい」「運動不足のせい」と片付けられてしまうことも多いのですが、実際にはコレステロール低下薬が原因である可能性もあります。
✅ 回復力・修復力が落ちることによる影響
とくにあまり知られていないのが、
コレステロール低下剤を長期間服用することで、
関節痛や慢性疾患(例:五十肩など)の回復が遅くなる可能性があるという事実です。
コレステロールは細胞修復・再生に欠かせない脂質です。
それを薬で過剰に下げ続ければ、組織の修復力が低下し、痛みやこわばりが長引きやすくなるのは、ある意味当然とも言えます。
🔍 射水姿勢リフォームでは
当院では、慢性の腰痛・膝痛・五十肩・関節の可動域制限などに対して施術を行っていますが、中には「スタチンを飲み始めてから痛みが抜けない」と訴える方もいらっしゃいます。
そのため、整体治療にあたっては薬の影響も視野に入れ、必要に応じて主治医との連携や、生活習慣・栄養状態の見直しもご提案しています。
◆ 射水姿勢リフォームからのメッセージ
LDLは悪者ではありません。
LDLの数値が高いからと慌ててスタチン剤を飲むことは、却って体調を崩す要因となります。
LDLを正しく理解し、日々の食事や生活習慣を見直すことが、真の予防と健康維持につながります。
当院では、整体や施術だけでなく、こうした栄養・代謝の視点からのアドバイスも含めて、全身の健康をサポートしています。
コレステロールや動脈硬化が気になる方、健康診断の数値で不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。
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