炭水化物(主に糖質のこと)食過多の生活が続くことで、関節の痛み、筋肉の痛み・こり、更年期症状を含めた様々な自律神経連関症状が現れます。
20代ではそう感じないかもしれません。
私のように40代も半ばになってきますと、「糖質による疲労」を感じることが多々ございます。
最近は意識的にランチ時の「大盛」を控えるようになりました。
参考までですが、私の場合は、まったくのゼロにはしておりません。
例えば、大好きなスパイスカレー食堂では、【メガ盛り→大盛】に(普通盛り、大盛、特盛、メガ盛りですから、2ランクダウンです(笑))。
また、ココイチでは、【ご飯600g→300g】にしました。
志野という定食屋さんでは、ご飯は「ふつう盛り」でお願いしております(今後は少なめで注文しようと心に決めております)。
先日は、スパイスカレー食堂で、はじめて【普通盛り】も経験しました。
いつもよりも意識をして噛むように心掛けたところ、「これでも十分だな」という体験しました。
先日開催したセミナーの懇親会では、ビールを止め、最初からハイボールにしてみました。
懇親会でビールを飲まなかったのは人生初です。
「今後ずっとビールを飲まないぞ!!」というわけではなく、「減らしてみよう」という考えでやってみました。
これらは、以前の私からは考えられないことなのであります。
私は大食いな方ですし、今でも糖質は大好きです。
でもそろそろ、「糖質の魔力(中毒性)」とも、「いい距離感のお付き合いにしても良いな」と感じ始めているのです。
たったこれだけで、調子が良くなりますから。
今回は書きませんが、日本の医療はちょっとおかしな方向に進んでおります。
例えば糖尿病の人にも、糖質を60%摂るように勧めているのもおかしな話です。
基本的に血糖値は糖質でしか上がりません。
少なくとも、跳ね上げるのは、糖質のみです。
それなのに、食事の中心は糖質を勧めており、インスリンも使うのですから、身体は疲弊するに決まっているのです。
話しを戻します。
お酒による身体の疲労感は顕著に出ます。
毎晩飲むことが習慣になっている方は、自分が怠いことにすら気づいていない場合がほとんどです。
習慣を止めて初めて、「こんなに楽なのか…」と気づくことが多々あります。
こればかりは悪習を一旦断ってみないことには気づけません。
私の場合、仕事後のお酒が続きますと、寝起きが悪くなります。
ビール2本程度でも毎晩続くと、私の場合は必ず胃が痛くなります。
仕事後の酒を断つことで、翌朝の寝起きが楽になることはもちろん、数日断てば、胃痛も消えます。
私にとっては胃痛が「状態バロメーター」となります。
この「状態バロメーター」には個人差があります。
人によっては、腰痛がバロメーターとなりますし、肩こりがバロメーターとなる方もいます。
頭痛として出る人もいれば、生理痛や、お腹の痛みに出る人もいるでしょう。
すべては「自律神経機能の成せる業」です。
身体はその恒常性を保つために、症状を生み出します。
症状があるから、無理がかかっていることに気づけるわけです。
この自律神経が発する「状態バロメーター」を大切に過ごして頂きたいのです。
今回は糖質過多による自律神経症状を取り上げてみたいと考えております。
糖化ってなに?
糖化(グリケーション)は、糖分子がタンパク質や脂質と結合する化学反応のことです。
この過程で生成される終末糖化産物(AGEs)は、細胞や組織に損傷を与え、老化や臓器の機能低下による慢性疾患の原因となります。
自律神経ってなに?
ご存じの通り、自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から構成されております。
体内の器官や組織の機能を自動的に調整する神経系です。
例えば、心拍数や血圧、消化、呼吸などの制御に関与しています。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで生じる症状の総称です。
自律神経のバランスが崩れると、心身に様々な不調が現れることは皆さんも体感(?)されていることではないでしょうか。
あらゆる臓器をコントロールしているのは自律神経ですから、「臓器の機能低下」=「自律神経の機能低下」と言えますね。
糖化が自律神経失調を引き起こすメカニズム
① 細胞内タンパク質の変性
終末糖化産物(AGEs)は、血管や神経の機能に影響を及ぼします。
特にAGEsが神経細胞に蓄積すると、神経伝達が阻害され、自律神経の機能が低下する可能性があります。
難しいことは極力避けますが、具体的には、AGEsが神経細胞内のタンパク質と結合し、変性させることが解っております。
タンパク質の正常な働きが阻害されることで、神経細胞の働きが低下します。
② 酸化ストレスの増加
AGEsは、酸化ストレスを増加させます。
酸化ストレスは、細胞膜やDNA、タンパク質にダメージを与える活性酸素の過剰生産を引き起こします。
神経細胞は特に酸化ストレスに敏感です。
活性酸素によって神経伝達物質の合成や放出が阻害される可能性が高まります。
③ 炎症反応の誘発
AGEsはRAGE(終末糖化産物受容体:Receptor for Advanced Glycation End-products)と呼ばれる受容体に結合し、炎症反応を引き起こします。
この炎症反応が、神経細胞にダメージを与えます。
神経伝達物質のシグナル伝達を阻害する炎症性サイトカインの放出を促進します。
慢性的な炎症は、神経細胞の機能低下と死滅を引き起こします。
④ 神経伝達物質への悪影響
AGEsはシナプスという「神経細胞間の接続部」に蓄積します。
シナプス機能を障害することで、神経細胞間のコミュニケーションが効果的に行われなくなります。
神経伝達物質であるアセチルコリンやノルアドレナリンに異常が生じれば、心拍数、消化不良、高血圧、ホットフラッシュ(過度の発汗)、不安やパニックなど、自律神経症状が顕著になります。
⑤ ミエリン鞘の劣化
AGEsは、神経細胞の軸索を保護するミエリン鞘にも蓄積します。
ミエリン鞘の劣化は、神経の伝達速度を遅らせ伝達効率を低下させます。
これにより、神経伝達が全体的に遅延し、エラーが生じることになります。
糖化による自律神経失調の予防と対策
食生活の改善
「糖質の過剰摂取を避けましょう」とお伝えしたいところですが、いきなり「ハードルが高い」と思う方が多いと思います。
「バランスの良い食事」と言っても、そのバランスの良い食事が難しいのが、現代なのです。
もちろん、低GI食品(血糖値の上昇を緩やかにする食品)を選ぶことは大切ですが、きっと多くの方は実行できないのが現実です。
私の経験として、最も簡単な対策が、「まず1食抜く」ことです。
それだけで1日の総食事量が減るからです。
まずは、そこから始めてみることが、もっとも簡単です。
本来は、血糖値を上昇させる糖質を減らしたいのは言うまでもございません。
しかし、ランチ時など、外食となるとほぼ糖質を避けることはできません。
ですから、まずは1日の総量を減らすことから始めるのがベストというわけです。
ちなみに、私はもともとが大食です。
1日3食、すべて大盛でも食べれてしまうよう、糖質大好き人間でございます…m(__)m
そんな私が、現在1日1~1.5食になったのは、やはり1日の食事の総量を減らしたことで体調が著しく良くなった体験からです。
開業仕立ての20代~30代前半までは、毎日のようにラーメンを食べておりました(ご存じの方も多いかと(^_-)-☆)。
今では月に1回くらいかな(??)と。
いつもお世話になっているスパイスカレー食堂では、「ごはんメガ盛り」を「大盛」に2ランクダウンするようにもなりました(努力してます)。
ココイチでも、600g食べていたのが、今では300gです。
そうやって少しずつですが、糖質過剰な状態から抜け出すことがおススメです。
できることから始めることです。
抗酸化物質の摂取
ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質がありますが、まずはビタミンCだけでも良いのではないでしょうか。
AGEsの生成を抑える働きがあります。
これらを多く含む食材を積極的に摂取することが推奨されますが、現実的に食事から摂るのは難しいです。
自律神経症状で悩む方は、良質なサプリ(ビタミンC)から始めてみるのが、もっとも簡単です。
私個人的には、常用はしておりません。
実際、どんなに良質なサプリだとしても、「サプリも薬」と思って使った方が良いと思っております。
肝臓に負担をかけるからです。
私のビタミンC活用法は、以下の通りです。
- 「なんか風邪っぽいかな?」という時点で1,000㎎を朝昼晩と3回摂る
- 体調次第で+1~2回(つまり1日4,000~5,000㎎)
大抵はお腹が下りますが、お腹を下すことも体内デトックスと考えております - 飲み過ぎて帰った際に1,000~2,000㎎
- 翌朝起きて1,000㎎、二日酔いの状態次第で、昼以降も継続1,000㎎
- 風邪をひいてしまった場合は、1回の量を2,000㎎に上げる
体調がちょっと良くないな、という際に多く摂るように心掛けておりますが、常用はしていません。
すでに自律神経症状が出ている方は、まずはビタミンCから有効活用すれば良いと思います。
適度な運動
適度な運動は血糖値の管理に役立ち、自律神経のバランスを整える効果があります。
言うまでもなく、有酸素運動は効果的です。
ただ、わざわざジムに行く必要もなければ、運動のために時間を取る必要はございません。
実際私も特別な運動はしておりません。
日常的にしていることは、「階段を見つけたら、階段を使う」のみです。
デパートの2階に行くのに、わざわざエレベーターを待つ必要はありません。
せっかくの効果的な運動機会である階段を使えば良いのです。
私事ですが、五反田駅前の本屋さんが7階にあるのですが、私はその本屋さんに行く際は必ず階段と決めております。
降りるのも階段です。
そうやって階段を積極的に選択するだけで1日の運動量は格段に上がります。
もちろん、膝が痛い方は無理することはございませんが、そうやって日常の中に運動機会など大量にあります。
基本は、歩くことです。
特に眠れない方は、日中歩いていない方がほとんどです。
健康の基本は、「食べる」「動く」「寝る」の3つに集約されます。
この3つを見直していくことが、そのまま自律神経の働きを高めていくことに繋がります。
糖化と自律神経失調は密接に関連しております。
適切な生活習慣を維持することで、糖化による自律神経症状リスクを減らすことができます。
まずはたったひとつ、できることから始めてみましょう。
引き続き、糖化対策をアップして参ります。