ここ数年、不眠症で悩まれる方が増えたように感じております。
「最近寝付けない」「導入剤を処方してもらいました」という声を聴くからです。
当院に来院される方の主訴は、腰の痛みや首の痛みなど「筋骨格系のお悩み」が多いですが、同時に、「眠れない」「耳鳴りがする」「めまいがする」「ホットフラッシュが酷い」「生理痛が」など、自律神経系のお悩みを聞くことが増えております。
自律神経系の乱れが、腰痛や肩こりはもちろん、五十肩などの肩の痛み、膝の痛みなど、筋骨格系の症状を生み出すことは普通のことです。
腰痛など筋骨格系症状の改善には、自律神経系を整える生活こそが最重要なのです。
今回は不眠症をピックアップして詳しく解説します。
不眠で悩む方々が少しでも快適な眠りを手に入れられるよう、参考にしていただければ幸いです。
不眠症と低体温って関係があるの?
不眠の方の多くは低体温です。
まず大前提として、低体温には大きな勘違いがあります。
本来、36.8度前後が平熱のレベルです。
もし今現在36.8度だとして、「アレ?今日熱が高いかも…」と感じるのであれば、それこそが低体温であることの証拠です。
36.8度ラインは、免疫機能としては良い状態です。
喜ぶべき体温と言えるでしょう。
中には、36.8度程度で解熱剤を飲んでしまうという人も…(-_-;)絶対ダメなやつですよ~…
不眠で悩む方の多くは、平熱が35度台です。
以前の私がそうでした。
常に35度台で、極稀ケースとは言え酷い時は34度台を記録したこともあります…m(_ _;)m
ご存じの通り、35度台では免役の働きが悪い状態と言えます。
34度台はかなり深刻なレベルの低体温です。
こうなると、あらゆる不調が出るハズです。
「超」低体温化は、腰痛や肩こりはもちろんのこと、頭痛や生理痛、消化器系の問題、不眠、鬱など、ありとあらゆる不調が表在化してきます。
では低体温であることが、どうして不眠に繋がってしまうのでしょうか?
睡眠と体温変化の密接な関係
まず睡眠と体温は密接に関連しております。
睡眠時には体温が下がります。
これは生体リズム(サーカディアンリズム:体内時計)によるものです。
夜間の体温低下は自然な現象です。
このリズムに応じた自然な体温の低下が深い眠りを促進する役割を果たしています。
体温が正常に下がらない場合に、睡眠は妨げられることになります。
そもそもが低体温の状態ですと、夜になっても体がリラックスできないのです。
当然、深い眠りに入ることが難しくなります。
睡眠時の体温調節メカニズム
睡眠時には手足の末端が温かくなることがあります。
これは深い眠りに入る準備をしているサインです。
具体的には、「熱の放散」と「血管の拡張」のメカニズムが関与しています。
- 熱の放散
深い眠りに入るために身体の中心部の体温を下げる必要があります。
そのため、血流が手足の末端部分に集中し、熱を放散させます。
これにより、手足が温かく感じられるようになります。
- 血管の拡張
手足の末端部分の血管が拡張することで、体内の熱が効率良く放散され、体温が下がりやすくなります。
これはリラックス状態にある時に起こりやすい現象です。
睡眠時に手足の末端が温かくなるのは、体温を効果的に調節し、深い眠りに入るための自然なプロセスです。
この自然なプロセスが起こらないのは、そもそも身体の中心部が冷え切っているからなのです。
睡眠の質を高めるポイント
通常がすでに低体温の方は、体温が上がるように生活を見直すことから始める必要があります。
現在の平熱が35度台の場合、すぐに平熱が36.5度レベルに上がることは、私の経験上は難しいと思います。
それでも、ちょっとした生活の見直しだけで、睡眠の質は変わっていきます。
まずはできることから始めましょう。
体質改善というものは、「小さな変化」を感じとることが楽しいのです。
私の場合、そのことをヨーガを通じて学びました。
小さな変化を観察しつつ、楽しみながら実践するのが体質改善のポイントです。
どんなに疲れていても、必ず実行して頂きたいことが温浴です。
シャワーで済ませるのではなく、熱めの湯に首まで浸かることが大切です。
体温が上がるからです。
身体を温めることはもちろん大切なのですが、それ以上に全身に水圧をかけることがもっと大切なのです。
老廃物を押し出す意味でも良いのですが、それ以上に、ふつうに疲れるのです。
熱いお湯に浸かり、一定の水圧を全身に受けることで、「心地の良い疲労感」が得られます。
心地良い疲労感のもと眠るから、疲れが取れるのです。
私個人的には、のぼせそうになったらぬるま湯か、ほんのり冷ためのお湯を浴びて一旦冷まします。
その際、水分補給の水も用意しておくと良いです。
水を飲んでほどよく身体が冷めたらもう一度湯船に浸かります。
疲れている時は、それでのぼせそうになったらまた冷ための水をかけて終了します。
元気な時はこれをもう1~2回繰り返しております。
その日の体調に合わせて、湯船に浸かり全身に水圧をかけ、身体を温めることが大切なのです。
お風呂は汚れを落とすために入るのではありません。
汚れを落とすだけならわざわざボディーソープなど使わずに、お湯に浸かればそれで充分です。
ちなみに、ボディーソープでゴシゴシと肌をこすり洗いをするから、加齢臭が強くなるのですよ。
理由は皮膚にいる常在菌がやられてしまうからです。
お気をつけ下さいm(__)m
低体温の方は、温浴で一度体温を上昇させることで、冷めていく過程で眠りに入りやすくなります。
入浴後、温まった状態が冷めてきてからベッドに入ることをおススメします。
また、入浴の温度は数値ではなく体感で心地良い具合を見つけて行くのも楽しいですよ。
よく、「熱い湯だと眠れなくなる」と、書籍には書いてあります。
しかし、ポイントは冷めていく過程で眠ることなのです。
お風呂上りは、眠気が吹っ飛んでいることは普通のことです。
そこからの体温低下と共に、眠りやすくなるのです。
そのことを覚えておいて下さいね。
睡眠導入剤断ちについて
体質を改善していく過程において、やはりどこかで薬断ちは必要になります。
睡眠導入剤は、結果として交感神経優位な体質になっていくからです。
つまり、低体温を招く体質になるということです。
薬自体が身体にとっては毒物であり、身体の分子構造にはない分子配列の異物であることには違いありません。
もちろん特定の症状緩和の効果は期待できますが、あくまで短期視点でとらえないと慢性化の一途を辿ります。
毎日服用し続ければ、必ず問題を深刻化させていきます。
そのことを踏まえて、服用することが大切です。
薬断ちに関しては、何処かで覚悟も必要なのです。
ツライ気持ちは重々承知の上ですが、その点だけは理解して置かなければなりません。
一時的に導入剤を使用するにしても、それに頼り切るのではなく、身体を温めることから始めてみて下さい。
薬は身体を冷やします。
身体が冷えれば根本解決からは遠ざかるばかりです。
身体を温めることで、少しずつ心地よく眠れる日が出てきます。
小さな変化を感じ取りながら、生活してみましょう。
不眠症と整体施術
当院では整体施術に加え、食いしばりケア(顎の整体オプション)を行なっております。
食いしばりはストレスの発散という点において必要なストレス解消となっております。
しかし過剰な状態が続くと、寝起き時にあごの疲れのみならず、肩こり、首の痛み、寝違えなど、疲労と痛みを感じることが増えていきます。
食いしばりが強く出るということは、それだけのストレス源があり、交感神経が優位な生活が続いていることを示唆しております。
食いしばりをゼロにするのではなく、過剰な閉口筋群(咬筋や側頭筋など)の過緊張を取り除いてあげることが必要なのです。
皆さん、耳に水が入ってしまった際に、どのように水抜きをしますか??
おそらく、ピョンピョン(かかとからガンガン)と跳びませんか?
特にかかとからガンガンっとショックを入れると水が出やすいと思います。
これは骨伝導で、かかとからのショックが耳にまで届くということです。
耳の穴の少し前に顎関節がありますよね。
つまり、顎関節は足からの影響を常に受けているということです。
当院で食いしばりケアがオプションなのは、全身を診た上での顎関節のケアが必要だからです。
不眠という点においては頸椎を綺麗に整えることが大切です。
もちろん不整列を整えることも大切ですが、後頭下筋群の過緊張状態をクリアしておきたいのです。
後頭下筋群が過緊張状態にあると、姿勢としては顎を前に突き出した状態となります。
あごが上がった状態は食いしばりも強くなります。
自律神経系を落ち着けるためには、頸椎の状態を心地よくしてあげることが最重要となります。
- 寝ても疲れが抜けない
- 寝違えることが多い
- なかなか寝付けない
- 食いしばりで朝あごが疲れている
- 口を開けると痛い
- 頭痛が多い
自律神経系の問題が気になる方は、お気軽にご相談下さい。