柔軟性を高めても、バランス能力は上がらない。身体の自由度を高めることで、バランス能力は飛躍的に高まる。

「私、身体が硬いんです」とよく聞きます。
『身体が硬い』=『悪』というのが、一般的な定義です。
この、「私、身体が硬いんです」は、ただの思い込みに過ぎません。
本来、身体には『硬い』も『柔らかい』も、ないからです。

「私、柔らかいんです」と自己申告する人は、なかなかいません。
おそらく1割でしょう。
世の中の9割の人は、「私は、身体が硬いんです」と思っています。
子どもの頃、立位体前屈で、どれくらい前屈ができるかを測りました。
その頃から、「私は身体が硬い」と思うようになるわけです。
学校の先生から、「君は身体が硬いね」と、言われたことがあるのかもしれません。
友達よりも、立位体前屈の数値が良くなかったのかもしれません。
それからずっと、「身体が硬いことは、よくないこと」と、思い込むようになったのです。

では、「私、身体が硬いんです」という人は、『誰と比べて』身体が硬いのでしょうか。
床に指先がチョンッとつく人と比べて、硬いのでしょうか。
床に手のひらがベタッとつく人と比べて、硬いのでしょうか。
床に手のひらがベタッとついて、且つ、自分の膝に顔がつく人と比べて、硬いのでしょうか。
それとも、中国雑技団のような、信じられないほどの柔軟性を発揮する、スペシャリストと比べて、硬いのでしょうか。
当院に通う人には、私より柔軟性の高い方も、多く見られます。
それでも、「私、身体が硬いんですよ」と言う人は、少なくありません。
この、「私、身体が硬いんです」という思い込みこそが、私の定義では、『歪んだ状態』なのです。

私には『歪み』の定義があります。
『歪みとは、身体のパフォーマンスを下げる、感情のこと。』という定義があるのです。
「私、身体が硬いんです」という思い込みで、身体のパフォーマンスが上がるとは思えませんから、この言葉を言う人は、『歪んでいる人』ということになります。
つまり、『歪み』は、身体の見た目に起こるものではない、ということです。
『考え方』が、歪むのです。
世間で言う『歪み』は、身体に現れる『見た目の左右差』のことですが、それはただの『クセ』に過ぎません。
身体のパフォーマンスを下げるような『思い込み』が、本当の『歪み』の正体です。
私は、前屈をすると、手の平がギリギリ床に全部つくくらいです。
日によっては、つかない日もあります。
それでも、自分のことを「硬い」と思ったことはありませんし、悪いとも思いません。
「自分の現状は、これくらいなんだな」と、知るだけのことです。
どこまでいけば『柔らかい人』なのでしょうか。
誰より柔らかければ、『柔らかい人』なのでしょうか。
一体、何と比べて、『硬いと思い込んでいる』のでしょうか。

多くの人は、「私は身体が硬いから、疲れている」と思っています。
「腰が痛いのは、身体が硬いからだ」と思っています。
いつからか、「思い込まされた」のです。
子どもの頃、親から、「うちの子は身体が硬くて」と言われたのかもしれません。
美容室に行けば、「肩こってますね」と言われます。
私も言われます。
いつも、「そうかなぁ?」と思って聞いています。
「お客さん、柔らかいですね」と、聞いたことがありません。
整体に行けば、やはり「硬いですね」「歪んでますね」と言われます。
左右差がない人は、この世にひとりとして存在しません。
それなのに、左右差があれば、「歪んでますね」と言われてしまうわけです。
結果、『歪んでいない人がいない』ということになってしまうのです。
そういうことの繰り返しで、「思い込まされた」部分は、かなりを占めています。
「私、身体が硬いんです」「私、身体が歪んでるんです」という思い込みから、一度離れてみれば良いのです。

『思い込み』は、厄介な『歪み』です。
たとえば、そのひとつに、「カバンは両方で持たないと歪むよ」というものがあります。
そもそも、両方でカバンを持とうが、永遠に左右差がなくなることはないのです。
人には『左右差があるのが当たり前』ですから、どんなにゼロに近づいても、ゼロはありません。
つまり、『左右対称』=『歪みがない状態』だと定義するならば、それは永遠に起こりえないのです。

では、カバンを両方で持つメリットがあるとしたら、どんなことでしょうか。
メリットは、『どちらで持っても、違和感なくカバンを持てるようになる』ということです。
たとえば、お箸で考えるとわかりやすいです。
私は、子供の頃から、右手でお箸を使います。
お箸は、「両方で使えないと歪むよ」とは、言われません。
カバンは歪むのに、お箸は歪まないのは、おかしいです。
では、お箸を両方で使えるようになるメリットは、なんでしょうか。
どちらも使えるということは、それだけ選択肢が増える、ということです。
つまり、『身体の自由度が高まる』ということです。
この、『自由度が高まる』ということが、『バランス能力が高まる』ということです。
身体の『自由度が高い』とは、単純に柔軟性が高い、ということではありません。
ここを勘違いしないことです。
柔軟性が高いから、使い勝手が良いということではないのです。
柔軟性が高くても、身体の使い勝手が悪ければ、意味がありません。
これはどういうことかと言うと、たとえば、ボールを右手で投げる人が、左手で投げようとすると、投げることはできても、美しい投球フォームはできません。
仮に、ストレッチなどで、身体を柔らかくしたからといって、左手で美しい投球フォームができるようには、ならないのです。
柔軟性が増したからといって、使い勝手が良くなるわけではありません。
左手でも美しい投球フォームができるようになるには、右手で投げる動作と、左手で投げる動作の、どこが違うかを観察することから始まります。
その違いを確認しながら、繰り返し投げる動作を練習することで、左手でも美しい投球をすることが、できるようになるのです。
自分の思い通りに、好き勝手動ける状態が、自由度が高いということであり、バランスが良いということでもあるのです。
バランスとは、身体の自由度のことです。
バランス能力を高めるとは、身体の自由度を高めるということなのです。
プロゴルファーでも、超一流となると、右でも左でも、同じようなフォームでスイングすることができます。
プロ野球選手でも、逆側の素振りをしていることがあります。
彼らは、身体の自由度を高め、バランス能力を高めることをしているのです。

現状で、身体が硬いと思っていようが、柔らかいと思っていようが、身体の自由度を高めていくことは誰にでもできます。
身体の自由度を高めるには、何をすれば良いのでしょうか。
先ほども書いたように、『柔軟性が高い』=『自由度が高い』ということではありません。
つまり、柔軟性を高めていくことが大切なのでは、ないのです。
自分の身体の持っている『クセ』に気づいていくことが、大切なのです。
この、『クセに気づく』ことが、身体の自由度を高めていくための、ファーストステップとなります。
『自分の現状を知る』ということです。
『自分の現状を知る』とは、『自分の自由度を知る』ということです。
自由度とは、使い勝手の度合いです。
「ここまでは無理なく動けるんだな」「こっちはやりにくいんだな」と、自分を知ることです。
先ほどの投球フォームの例と同じです。
右手で投げるのと、左手で投げるのと、どこが違うのかを観察することです。
繰り返しの練習でできるようになるのは、『使い勝手が育つ』からです。
『使い勝手が育つ』=『自由度が高まった』ということです。
つまり、自由度が高いとは、『自分の思った通りに身体を動かせる』ということなのです。
思った通りに身体をコントロールできる人は、バランス能力が高いということなのです。

私はヨーガを実践しています。
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ヨーガに付きまとう勘違いがあります。
柔軟性を高めれば良いと思っている人が多いのです。
繰り返しますが、ただ柔軟性を高めても自由度は高まりません。
どこが左右で違うのかを観察することで、自由度が高まるのです。
ヨーガインストラクターを目指す人に多い間違いがここです。
とにかく柔らかくなろうとし過ぎるのです。
これは非常にもったいないことです。
グニャグニャになっても、バランス能力が高まるわけではないのです。
ヨーガの良いところは、たとえ身体が硬いと思っているような人でも、身体の自由度を高めて行けることです。
表現上、たとえ身体が硬くても、右手でも左手でも美しい投球フォームはできるようになる、ということです。
身体の自由度を高めるとは、そういうことなのです。

「私、身体が硬いんです」は、ただの思い込みです。
100歩譲って、硬いのだとしても、ある一定の所までは前屈ができるわけですし、開脚もできるわけです。
つまり、その範囲では、きちんと動けているということです。
そのきちんと動けている範囲内の動きを、思い通りにコントロールしていくことが大切なのです。
そのプロセスを、繰り返し観察していくことで、結果的に、柔軟度も高まっていくのです。
動けない範囲のことに思いを馳せ、動けている範囲を疎かにしないことです。
これは、なにごとにも通ずることで、「できないこと」ばかりにフォーカスする人と、「できること」にフォーカスする人の違いです。
「私、身体が硬いんです」は、「できない範囲」にフォーカスしているのです。
それでは、いつまでたってもできるようにはならないのです。
できているレベルを高めていくことにフォーカスする人が、より、成長していくことができるのです。

【姿勢が生まれ変わる、身体との付き合い方5】
柔軟性を上げるより、左右の動きの違いを、細かく観察しよう。

P.S.
のちのち、身体の動きの確認の仕方も、記事にしていきます。
そんなセミナーも、開催しよう。

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